タイで一番辛いタイカレーって何でしょう?
日本人がタイカレーと言ってイメージするのは、
・グリーンカレー
・レッドカレー
・イエローカレー
このあたりではないでしょうか。
日本人になじみのあるこの3つのタイカレーもまあまあ辛いのですが、辛い物好きには物足りないですよね。
タイにはこの3つのタイカレーと比べ物にならない位辛いカレーが他にもあるんです。
しかもタイで一番辛いと言われているタイカレーは実は2つ存在するという矛盾も?!
今回は辛い食べ物大好きな人のために、一番辛いタイカレーに迫ってみたいと思います。
|
Contents
タイカレーはタイではゲーンと呼ばれている
まずはタイカレーについて予備知識があったほうがより話分かりやすいと思いますので少し序章です。
普段私たちがタイカレーと言っている料理はタイ人はカレーとは言いません。
タイではごはんにかけて食べる汁物料理全般を「ゲーン」と言います。
ちなみに最初に挙げた3つのタイカレーはそれぞれタイ語で、
ゲーンキョウワーン(グリーンカレー)
ゲーンぺッ(レッドカレーイ)
ゲーンカリー(イエローカレー)
と言い全てゲーンという料理の種類に入ります。
さて、まずはこの3のタイカレー(ゲーン)で一番辛いのはどれなのか決定戦に参りましょう。
まずタイカレーで一般的な3種類の中ではどれが一番辛いの?
まずはグリーンカレー、レッドカレー、イエローカレー、色カレー3兄弟対決!
結論から言うと、この3つで一番辛いのはグリーンカレー(ゲーンキョウワーン)です!
3つのタイカレーのについて少し触れてみたいと思います。
1.グリーンカレー(ゲーンキョウワーン)
グリーンカレーは薄いグリーン色をしていることからグリーンカレーと言われています。(そのまんま)
これは「ピッキーヌ」という生の激辛青唐辛子を大量に使っているのでこのような色をしています。
「ピッキーヌ」は乾燥の赤唐辛子とは比にならない強烈な辛味が特徴です。
これがグリーンカレーの辛さの素。
それ以外の材料はレッドカレーとほぼ違いがありません。
調理にはココナッツミルクを入れますので若干マイルドにはなります。
しかし調理段階で生の唐辛子を更に入れますので相当激辛になります。
これを読んでいる人の中で「でも、タイでグリーンカレー食べたけど辛くなかった。」という人もいるかもしれません。
それは外国人仕様のグリーンカレーを食べている可能性が高いかもしれません。
タイでは外国人観光客が来るような中級クラス以上のレストランや、ホテルのレストランだとタイカレーであっても作り置きしていないことがあります。
さらにタイ人は外国人観光客だと分かれば、頼んでもいないのに勝手にグリーンカレーペーストの量を減らしたり、唐辛子を入れずに調理することが往々にしてあります。
するとまあ美味しくないぼやっとしたグリーンカレーが出てきます。
タイ人の考えでは、外国人に辛さをどうするか聞くのは言葉が通じなくて面倒くさい。
辛いまま出すと食べ残す人がいて勿体無いので辛味を極力控えて調理する。
「だって日本人辛いの食べないでしょ?」
日本人=辛いもの苦手と勝手に思っています。
もし、タイ人の辛さで食べたい時は、
「アオ ロッチャーコンタイ(タイ人の味にして欲しい)」とこちらから先に言っておかないと、ロッチャーコンイープン(日本人の味)にされてしまいます。(何度か経験あり)
もしくは、地元タイ人に人気のおかず食堂などで既にタイ人好みの辛さで出来上がっているグリーンカレーを食べてみましょう。
レッドカレー(ゲーンぺッ)
レッドカレーはその名の通り赤いカレーなんですが、乾燥した赤唐辛子が大量に使われています。
乾燥した赤い唐辛子は生の青唐辛子に比べて辛さが若干マイルドで唐辛子の香りが強いのが特徴です。
しかし、乾燥した赤唐辛子も油断はできません。
個体によっても品種によってもかなり辛い赤唐辛子があります。
更にレッドカレーも調理の段階で生の赤唐辛子を入れますので結局まあまあ辛くなります。
しかしグリーンカレーに比べると辛味は少し控え目であると言えるでしょう。
辛いレッドカレーが食べたい場合も、地元タイ人に人気のおかず食堂などですでにタイ人の好きな辛さで作られたレッドカレーを狙いましょう。
ちなみに日本のレストランで食べるレッドカレーはタイで食べるのと比べてとにかくマイルドな印象があります。
ペースト少なめ、ココナッツミルクたっぷり、砂糖たっぷり、唐辛子の追加なしなので辛い物好きの方には若干物足りなく感じるかもしれません。
イエローカレー(ゲーンカリー)
最後にイエローカレー。これはタイに訪れる外国人観光客が一番安心できる味かもしれません。
インド系カレースパイスにココナッツミルクが加わったゲーンです。
ほんのちょっと唐辛子が入っていると思いますが気持ち程度なので辛くなく一番マイルドです。
日本はカレーが美味しい国なので、イエローカレーみたいなカレーはタイでわざわざ食べる必要はないと感じます。
具も鶏とジャガイモなので、ファラン(欧米人)の好きなシチューのような雰囲気です。
当然辛い物が好きな人にとっては辛い物のうちに入らないレベルだと思います。
タイでは一番辛いと言われるゲーンが2つある?!
ではタイで一番辛いゲーンってどれ?
という質問にお答えしたいと思います。
タイでは一番辛いと言われているゲーンが実は2つ存在します。
どちらもものすごく辛くていい勝負なのでどちらが一番か比べられないのは確かです。
そのタイで一番辛いと言われる2つのゲーンを紹介します。
激辛悶絶必至!東北部の森の刺客「ゲーンパー」
東北部はタイではイサーン地方と言われています。
イサーン料理はタイでも非常にポピュラーなものが多いです。
有名な料理ソムタム(パパイヤのサラダ)、ガイヤーン(イサーンスタイルの焼き鳥)、ラープ(ひき肉のハーブサラダ)などなど。
そんなイサーン料理の中にも激辛すぎて悶絶必至のゲーンがあります。
それは、ゲーンパー日本語に訳すと森のカレー。
森のカレー?
一見すると、森に住んでるやさしいおばさんが作ってくれる健康的な薬膳カレーを想像するでしょ?
これがとんでもなくえげつない激辛カレーなんですよ。
先ほどのも出てきた超絶辛い生唐辛子「ピッキーヌ」と生胡椒をふんだんに使い、鶏と森で採れる野菜やキノコをぶち込んだスープのようなゲーン。
ココナッツミルクは入らないためマイルドなフィルターがかかっておらず辛味がダイレクトに舌を刺激します。
スープを一口すするだけで生唐辛子と生胡椒のダブル攻撃で即悶絶。
食べ終わった頃には口の中や唇が腫れ上がってしまう人も。
その昔、大阪心斎橋にあった「ブッサリン」というお店でイサーン出身のおばちゃんに辛さの容赦なく作ってもらった本格的なゲーンパーがとにかく美味しくてタイで食べるより美味しかったのではと未だに思ってます。
日本のタイレストランでもゲーンパーをメニューで出しているお店は結構ありますが、生胡椒が入ってないことが多い印象です。
もし本格的なゲーンパーをお店で食べてみたいならば、タイでタイ人向けの辛さで食べることをおすすめします。(自己責任でお願いします。)
激辛悶絶必至!南部の血管崩壊「ゲーンタイプラー」
タイ南部のゲーンは他の地方に比べて数段辛いのが特徴です。
南部の街クラビへ行った際、市場にあるおかずやさんにはバンコクでは見たことのないゲーンがたくさん並んでいました。
通常で激辛なので、バンコクやチェンマイで食べるゲーンに比べて軒並み辛いのが特徴です。
その中でも一際辛くて悶絶必至のゲーン。
それはゲーンタイプラーです。
ゲーンタイプラーとは、魚の内臓の塩辛「タイプラー」を使ったゲーンです。
タイプラーは魚の発酵臭が非常に強く塩辛いのが特徴です。
そこへ強烈な唐辛子の辛みを加えて、具は焼いたアジ、タケノコ、三度豆、カボチャ、ナスなどが入ります。
出来上がりの見た目は完全にどぶ水のよう。
臭い、塩辛い、超激辛と正に三重苦を背負った強烈なタイカレーです。
タイの食堂で私たちのような日本人観光客が「ゲーンタイプラーください。」と言うと、
周りのお客さんから「え...?!めちゃくちゃ辛いよ!」と心配されたり、
店主も「無理無理。お前らには食べられへん。」と別のゲーンをすすめてきたりして注文するのにハードルを越えないといけな場合があります。
ですが、食べてみるとタイの白ごはんとの相性はばっちりで、案外病みつきになる人もいたります。
これは、日本のくさややなれずしが美味しくて好物になる感覚に似ているのではと思います。
ただ、高血圧の人には向かない塩辛さと辛味。
血液、血管が健康であることを確かめてからチャレンジしてください。(こちらも自己責任でお願いします。)
タイで一番辛いカレー「ゲーンタイプラー」を作ってみた
実は主人がタイでゲーンタイプラーにハマってしまい、日本でもぜひ食べたいとのことでゲーンタイプラーを作ってみました。
写真左下にある赤い容器がナムプリックタイプラーと言ってタイプラーのペーストです。
そして一見ヤクルト...?にしては中身黒い容器が魚の内臓の塩辛「タイプラー」です。
タイプラーのレシピ | |
魚の内臓の塩辛 | 1本 |
ナムプリックタイプラー | 大さじ1 |
カー | 3切れ |
レモングラス | 2-3本 |
バイマックルー(こぶみかんの葉) | 3-5枚 |
タマリンドペースト | 大さじ1 |
ナンプラー | 大さじ1 |
砂糖 | 大さじ1 |
焼きアジ(中くらい) | 1匹 |
タケノコ、かぼちゃ、三度豆、なすびなどの野菜 | 適量 |
水 | 700㏄ |
作り方
- 鍋に水を入れレモングラス、バイマックルー、魚の塩辛を入れて沸騰させ中火でしばらくぐらぐらさせる。
- 生臭さが和らいだあたりで網で濾しどぶ水のような出汁を鍋に戻す。
- とれた出汁にナムプリックタイプラーを入れて味をなじませる。
- 焼いたプラトゥー、たけのこ、マクアポ(丸い茄子)、さやいんげん、かぼちゃなどを投入し火が通るまでぐらぐら。
- タマリンドペースト、ナンプラー、砂糖で味の調整をする。
※自宅で作る際は強いにおいが充満する可能性がありますので、ご近所に鼻の効く人がいる場合は注意が必要です。
実際家で作ってみましたが案外美味しくできました。
とにかく臭い、塩辛い、超激辛でしたが、食べているうちに魚のうまみがしっかり感じられて案外イケるかも?!
しかし個人的には少量でOKでした。
ということで、辛い物大好きな人はぜひ激辛のタイカレーにも一度挑戦してみてください。